鼻から出る涙(感想殴り書きの続き)
クサナギくんの涙が鼻からでるのは、前から薄々気づいていた。「父帰る」で彼の顔の下には雨が降っていた。どれだけ興奮して、どれほどのアドレナリンを分泌すれば、あのように毎晩毎晩2回も3回もあれだけの汗と鼻水が顔から吹き出るのだろう。前回では結構鼻をこすって垂れるのを抑えていたようだが、もう間に合わないし、気にしないことにしたようだ。父への怒りがピークに達した時初めて、彼が本気で怒鳴りだした。その声は腹の底から出ていて、こっちがびくっとするほど大きかった。いつもひょろひょろした声を出すくせに、実は腹の底からでかい声を出せる人だ。(剣道の練習がよかったのかな。)
「父帰る」は、初めから前回とかなり様子が変わっている。家族は微笑んでいた。幸せそうな思いやりにあふれた家族だった。兄弟は勺を交わしながら目を合わせて微笑み合っていた。賢一郎は肩の力が抜け、座り方までちょっと違っていて、家でくつろいでいる雰囲気だった。彼の家族への愛がよく感じられ、そういう意味で家族を支えてきた様子が表現されていた。
父親が帰ってからも、声の調子はすぐには高ぶらず、「おたあさんは女子やけにどう思っとるか知らんが」あたりからだんだんピークに差し掛かっていった。私は高揚していく賢一郎の怒りと興奮に動かされ、目頭が熱くなった。そして、父が惨めに立ち去った時のやるせない表情が印象的だった。
弟と違って、兄の体や頭はあまり動かない。体や頭の動きをもっと使った方がいいのではないかとも思うが、それでは軽々しくなるのかもしれない。もしかして、クサナギくんは気持ちを入れることに集中して、動きがなくなっているのか。それとも賢一郎は父への怒りと複雑な思いで固まってしまっているのか。そんなことを思った。芝居は動きのあるほうが目立つ。はっきりいって、ついつい目は弟の方に行ってしまった。それは弟役の役者が上手くなったということだけではないと思う。賢一郎はとにかく動かないのだ。しかし顔や、汗や、声に彼の感情が全て表れていた。汗をだらだらとかき、腹の底から怒鳴りちらし、年をとって女房子のいる所が恋くなったからといってのこのこと帰ってきた父親を追い出した。
しかし、彼は顔をそらして、父親の顔を見なかった。父親を認めないという気持ちからか、顔をみたら負けだ、哀れな姿をみたらお終いだという気持ちからか。
クサナギくんは、これからもどんどんお芝居をやって、ベテランとやらになっていくのだろう。でも、彼だけがもつ、人の心にストレートに伝わってくる感情の表現を失わないで欲しい。それはすばらしいお芝居を観たと言うよりも、彼が表現する感情を自分も体験したような感覚だ。
帰りに本屋によって、Look at Starを買った。演出家の方はかなり面白い人のようだ。「天賦の才」と書かれていて、にんまりしてしまった。マイナスイオンは今日、狂人クサナギくんから滝のようにあふれていた。
ついでに劇団ひとりの本を読んで爆笑してしまった。もっと安けりゃ買うのに。NHK朝の連ドラおもしろい。劇団ひとりのファンになった。(浮気者!)
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コメント
はじめましてミミです。あまりにも舞台の感想が同じだったのでメールします。4,11,29日の3回観劇しました。段々進化してるのがわかりました。29日は賢一郎が良くなっていてびっくりしました。最初の母との会話が微笑ましく父への怒りの心情が台詞にメリハリがあってより伝わってきました。特に最後の父を追いかける前の台詞がグッときました。義太郎は最初に見た時は可愛く幸せそうな印象が強かったが狂人面がグレードアップしてました。特に最後の弟とのやりとりがジーンと来ました。剛くんは美声で顔も綺麗でオーラがありました。
追伸 朝ドラを見て劇団ひとりに注目してます。
投稿: ミミ | 2006年4月30日 (日) 14時04分
ミミさんコメントありがとうございます。ミミさんも同じ感想を持たれたということ、とても嬉しく思います。私が観たのは、29日の3時でした。ミミさんは何時をご覧になったのでしょうか?剛くんはとても努力をする人なので、これからもどんどんすごい人になっていくような予感がします。今日は千秋楽ということで、無事に舞台が終わることを祈っています。
劇団ひとりさんって、微妙にいい感じですよねえ。本読みました?
投稿: Hana | 2006年4月30日 (日) 17時15分
私は29日8時でした。タモリさん加賀さん宇梶さんを見ました。ラッキーでした。Hanaさんの感想を読んだら同意見なので自分が書いたのかと思うぐらいびっくりしました。私は文才がないのでHanaさんはうまくまとまった文が書けて羨ましいです。以前バッチギを観ましたが良い映画でした。キムラさんはスタアの恋で存知上げてたのにあとでネットで知って気づきました。まるで別人で役者って凄いですね。電話が繋がり親指ばかやろうも経験しました。
剛くんも無事に千秋楽が終わり嬉しく思います。本当に剛くんにいい夢を見させて貰い感謝の気持ちでいっぱいです。
追伸 劇団ひとりの演技が何気に好きです。電車男も良かったが朝ドラの先生は萌えキャラですよね。剛くんならもっと萌え~かも。本はあとで立ち読みします。
投稿: ミミ | 2006年4月30日 (日) 21時03分
ミミさん、お返事ありがとうございます。親指ばかやろうはきついですよね。タモさん他目撃されたそうで、超うらやましいです。私も夜行きたかったなあ。
私の文章力はひどいものです。はっきり言って、恥かしい!ミミさんは文章ばっちりなので、ブログに書いてみてはいかがですか?
劇団ひとりさんは単独ライブなるものを何回かやってるらしいですよ。是非観にいきたいですね。『都会のナポレオン』というDVDにも入ってるそうです。
投稿: Hana | 2006年4月30日 (日) 22時02分